不用品回収(ふようひんかいしゅう)
「不用品回収」とは
不用品回収とは、家庭や事業所で使わなくなった家具・家電・日用品などを、依頼を受けた事業者が引き取り、運び出す一連のサービスを指す言葉です。
扱う品目の範囲や作業内容は事業者によって幅があり、同じ「不用品回収」という言葉でも指している内容が異なる場合があります。
対象となるものは、タンスやソファ、ベッドといった大型家具から、テレビや冷蔵庫、洗濯機などの家電、衣類や食器、書籍といった細かな生活用品まで多岐にわたります。
似た言葉として「遺品整理」「生前整理」「家財整理」などがありますが、これらは片付けを行う目的や背景を示す言葉であるのに対し、不用品回収は「不要になったものを運び出して処理する」という工程そのものを指す言葉として使われる傾向があります。
実際の現場では、遺品整理の一部として不用品回収が行われる、といった重なり方をすることも少なくありません。
なお、家庭から出るものをどのように処理するかについては、廃棄物処理法をはじめとする法令や各自治体の定めるルールが関わってきます。
自治体の粗大ごみ(大型ごみ)収集との違い
不用品を手放す方法としては、自治体の収集を利用する形と、事業者に依頼する形があります。どちらか一方が優れているというものではなく、点数や搬出の条件によって向き不向きが分かれます。ここでは、その違いを整理していきます。
運び出しを行う人
もっとも大きな違いは、運び出しの作業をどちらが担うかという点です。
自治体の収集を利用する場合、対象のものを指定された収集場所まで自分で運び出す必要があります。手数料を納付し、シールを貼ったうえで、収集日の朝までに所定の位置へ出しておく形が基本です。
一方、不用品回収業者に依頼する場合は、室内からの搬出を含めて任せられるのが一般的です。
日程の決まり方
自治体の収集は、申し込みから収集日までに日数がかかることが一般的です。
時期によっては、さらに先の日程になることもあります。年度末の引越しシーズンなどは、申し込みが集中しやすい時期にあたります。
不用品回収業者に依頼する場合は、比較的短い間隔で日程を組めることが多く、都合の合う日時を相談しながら決められます。
引越しや売却の期日が決まっている場合、この点が判断の分かれ目になることもあります。
引き取れるものの範囲
自治体の収集では、品目ごとに扱いが定められており、対象外となるものがあります。
テレビ・エアコン・冷蔵庫・洗濯機など家電リサイクル法の対象製品、パソコン、タイヤ、消火器などが代表的で、それぞれ別の窓口や手続きが必要になります。
一軒分を片付ける場面では、こうした品目が家のあちこちに混在していることが少なくありません。
不用品回収業者に依頼する場合、対象となる品目の範囲は業者によって異なりますが、複数の窓口へ個別に手配する手間を減らせる場合があります。
不用品回収の費用相場
不用品回収の費用は、品目や点数だけで決まるものではなく、建物の条件や作業にかかる時間によっても変わってきます。相場を見るときは、金額そのものよりも「何が費用に影響するのか」を押さえておくと、見積もりの内容が読み取りやすくなります。
不用品回収の費用を左右する要素
まず、不用品回収の費用を左右する要素として、回収する品目と点数が挙げられます。
単品なのか、部屋一つ分なのか、家一軒分なのかによって、必要な車両の大きさや作業人数が変わってきます。
次に、建物の条件です。何階から運び出すのか、エレベーターがあるか、廊下や階段の幅に余裕があるか、トラックを停められる位置が玄関からどれくらい離れているかといった点が、作業時間に直結します。
そして、買取の対象になるものが含まれているかどうかも、最終的な金額に影響します。買取が成立した分は処分の費用から差し引かれる形になるため、同じ点数でも結果として負担が変わってくる場合があります。
目安として挙げられる金額帯
一般に紹介されている目安としては、単品の回収で数千円から数万円程度、軽トラック1台分の積み込みで1万数千円から3万円程度、2トントラック規模になると数万円から数十万円程度、といった幅で示されることが多くなっています。
一軒分をまとめて片付ける場合には、間取りや残っている家財の量によって十数万円から数十万円まで開きが出ます。
ただし、これらはあくまで幅を示したものであり、同じ品目でも状況によって金額は変わります。そのため、費用相場は断定はできません。実際の費用は、現地の様子や搬出経路を確認したうえで算出される形になります。
具体的な例として、マットレス1点を回収する場合を挙げてみます。スタッフが室内から運び出し、そのまま回収する形であれば、11,000円ほどが目安となります。搬出から処理までを一括して任せる方法です。
一方で、建物の下まで下ろす作業を不用品回収業者が手伝う形であれば、費用を抑えられる場合があります。下ろしたマットレスに大型ごみのシールを貼り、市の収集に出す方法をとると、最低6,000円ほどで済むケースもあります。
どちらが適しているかは、建物の階数や搬出経路、当日ご在宅かどうか、収集日まで待てるかどうかといった条件によって変わります。同じ1点の処分でも複数の進め方があるという点が、費用を考えるうえでの一つの目安になります。
不用品回収業者の選び方
依頼先を検討する際には、料金の安さだけでなく、作業の進め方や説明の仕方といった部分も不用品回収業者を選ぶ際の判断材料になります。
ここでは、依頼前に確認しておくと安心につながりやすい点を挙げていきます。
料金の内訳が事前に示されるか
回収費用が、品目ごとの金額なのか、トラックの積載量に応じたものなのか、作業人数や時間を含んだものなのかによって、同じ総額でも中身が変わってきます。
内訳が説明されていれば、追加が生じたときにどこが増えるのかを把握しやすくなります。
あわせて、階段作業や長距離の搬出、養生、駐車位置の都合といった条件で追加費用が発生するのかどうかも、事前に確認しておきたい部分です。
作業当日になって想定外の金額が出てくる状況を避けるうえで、この点の説明があるかどうかは一つの目安になります。
回収したものの扱いについて説明があるか
引き取られたものがその後どうなるのかは、外からは見えにくい部分です。
まだ使えるものは再販や再利用に回すのか、家電リサイクル法の対象品はどのように扱うのか、といった点について説明を受けられると、引き渡したあとの不安が軽くなります。
とくに、故人の持ち物や長く使ってきた家財を手放す場面では、金額とは別のところで気にかかることも多いでしょう。
そうした点に触れながら説明してもらえるかどうかも、判断の材料のひとつといえます。
買取を含めて相談できるか
家の中には、処分するつもりだったものの中に買取の対象が混ざっていることがあります。処分だけを扱う事業者と、買取もあわせて扱う事業者とでは、相談できる範囲が変わってきます。
何が買い取れて何が処分になるのかを、その場で不用品回収業者に仕分けてもらいながら進める形であれば、費用の見通しも立てやすくなります。
連絡先や所在地が明確か
事業者の所在地や連絡先、作業の受付方法がはっきり示されているかどうかも、確認しておきたい点です。
作業後に不明な点が出てきたときに、あらためて連絡が取れる状態であることは、依頼する側にとっての安心材料になります。
なお、街を巡回しながら無料回収をうたう車両に関しては、あとから高額な料金を求められたという相談が各地の消費生活センターに寄せられています。「一般廃棄物収集運搬業」の許可を持つ企業のみに、一般家庭から不用品を回収し、処分費を受け取って持ち帰る行為が許されている点には気をつけましょう。